
粒子径と同様に密度も粉体の特徴を決定する重要な物性値となります。密度とは、ご存知の通り、単位体積当たりの質量で定義されます。ただし、粉体の場合には、単に密度と言っても一意に定義することができません。粉体には、大きく分けて2種類の密度があり、1次物性である「粒子の密度」と2次物性である「粉体(粒子の集合体)の密度」です。
粒子の密度
粒子の密度とは、各粒子の質量を各粒子の体積で除算して求められる密度のことです。ただし、粒子には、表面に凹凸があるものや、内部に空孔を含むものが存在するため、粒子体積の定義によって粒子の密度は3種類に分類されます。
真密度
内部の空孔も取り除いて、粒子を形成する物質のみの体積から求めた粒子の密度のことを「真密度」と言います。他の成分が含まれていない純粋な粒子の密度のことになります。測定する際には、内部に空孔が存在しなくなるまで細かく粉砕する必要があります。
粒子密度
粒子密度とは、内部の空孔も粒子の体積として含めて求めた粒子の密度のことです。実際の粒子の体積に比べて内部の空孔分だけ体積を大きく評価するため、真密度に比べて粒子密度は小さい値となります。
見かけ粒子密度
内部の空孔および粒子表面の細孔も粒子の体積として含めた粒子の密度のことです。粒子密度で求めた体積よりも表面の細孔分だけ大きく評価されるため、粒子密度よりも見かけ粒子密度は小さい値となります。

粉体の密度
粉体の密度は、容積が分かっている容器に粉体を充填して、充填された粉体の質量により求められる密度のことで、「かさ密度」と呼ばれます。かさ密度は、充填された粉体間には多くの隙間が存在しているため、粒子の密度に比べて小さい値になります。また、充填方法によって「ゆるみかさ密度」と「かためかさ密度」の2種類に分けて測定されます。
ゆるみ(ゆるめ)かさ密度
容器内へ粉体を静かに充填した状態で計測したかさ密度を「ゆるみ(ゆるめ)かさ密度」と言います。静かに充填された粉体間には、多くの隙間が存在している状態となります。
固めかさ(タップ)密度
粉体が静かに充填された容器に一定の振動を与えることで粉体間の隙間を埋めて、再充填した後に測定したかさ密度を「かためかさ(タップ)密度」と言います。粉体間の隙間は、粒子形状による幾何的な要因や、付着力などの表面特性による要因により発生します。
圧縮度
圧縮度とは、固めかさ密度とゆるみかさ密度の変化の割合で定義される粉体の特性を表す二次物性です。圧縮度が高いと流動性が悪く、圧縮度が低いと流動性がよい状態を表します。

粉体シミュレーションで扱う粉体密度
ここまで、さまざまな粉体物性について解説してまいりました。実際に粉体シミュレーションを行う際、物性値として一般的に用いられるのは粒子の「真密度」です。では、現実の粉体物性をどのようにシミュレーションへ落とし込むのでしょうか。その基本的な流れは以下の通りです。
まずは物理量の確定です。実験で使用する粉体の「全質量」と、1粒子あたりの「粒子径」を決定します。
※粒子径には、粒度分布の代表値であるD50(メディアン径)を採用するのが一般的です。
その次に粒子数の算出を行います。全質量、真密度、および粒子径から、解析空間内に配置すべき「粒子の個数」を算出します。この粒子の真密度、粒子径、粒子数が決まることで、粉体シミュレーションが可能になります。
こうした複雑な計算や物性設定をスムーズに行い、粉体の挙動を現場で手早く可視化するのが、弊社構造計画研究所で開発・販売している粉体シミュレーションソフト「iGRAF」です。
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